るるりっこ
2014年5月号 第1話「ルルとリコ」
ルルちゃん、ルルちゃん♪
今日何して遊ぶ~?
どうする~?
うちに来る~?
るるちゃん家に行こうかなあ?
なあ、どうする、どうするう?」
【リコ】小学3年の春。学校から帰ると日課のように大好きなルルに電話をかける。学校の帰り道に約束すればいいものを何故か電話をかける。それがお決まりなのも不思議な関係。
【ルル】同じく小学3年生。
「いいよう!じゃあ、家に来るう?」
こちらも同じくワンパターンな返事。相変わらずな日常だが、見ていると妙におもしろい二人組。
ルルとリコ。
二人が住んでいるのは潮風が心地よい離れ小島。とんでもないくらい、のんびりした環境に育った女の子。同級生の女の子はたったの6人。それぞれが仲良しでほのぼのと育っている。
その中でもこのお二人さんは何故か特別仲良しで、切っても切れない関係である。
ある日の事、いつもの電話の後・・・
「行ってきま~す!」
と上機嫌でルルん家へ向かったリコ。
30分後・・・
「絶体、絶体!ルルとは遊ばん!
絶体、絶体!喋らんし!」
とプンプンで家に帰ってきたリコ。
リコママも見て見ぬふり。何があったのか聞くこともなく夕食の支度を続ける。しばらくブツブツ続けているリコ。
リコは小さい頃から生真面目で活発な女の子。また、家族の発明王でもあり、トイレットペーパーの芯を集めては、工作を始
めては家族を笑わせていた。
この日もルルと喧嘩して帰って来るなりブツブツ言いながらも何やら工作を始めていた。しかし、15分もすると思い立ったように電話に向った。そしていつもより、か細い声で「・・・ルルちゃん、やっぱり遊ぼ~」。
電話の向こうでは、ルル・・・
「いいよう」。
「はい、はい」とリコママもルルママも、いつもの事と心配無用の余裕。いつもの何気ない幸せな夕暮れを楽しんでいた。
ルルは、リコとは正反対の性格でお茶目で底抜けに明るい女の子。つけ髪、マニキュア、キラキラしたものが大好きな女の子。ただ共通するのは活発なところ。
この共通点が二人の切っても切れない関係をさらに深めていく事になり、多くの人々を巻き込み笑顔と感動を与えてくれる事を、まだ誰も知る余地はなかった。
あるスポーツを通じて・・・。