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るるりっこ


2014年7月号  第3話「ささやかな夢」

 何はともあれ野球を始めることになったルルとリコ。このアクション…なぜか二人だけにおさまらず、それぞれの姉妹にも大きな影響を与えました。
 彼女達に共通するところには、二人とも三姉妹というところもありました。ルルは三姉妹の末っ子、リコは三姉妹の真ん中。
 二人が野球を始めるということで、ルルの真ん中の姉ちゃんルイ、そしてリコの姉ちゃんマユは共に5年生で同級生。まずこの二人の姉ちゃんも一緒に野球を始めることになりました。そしてリコの2才年下の妹サキも、のちに野球を始めるのでした。
 スポーツ少年団の野球の練習は、水曜日と金曜日のナイター練習でした。当時は女の子の部員はルル・リコ・マユ・ルイの4名だけだったので結構チヤホヤされていたようでした。しかし当然ながらキャッチボールも初めての4人、早速男の子に混ざって練習というわけにはいかず、グランドの片隅で両家のお父さんとワイワイとボール遊びを楽しんでいました。次第に親も子もナイター練習の日が待ち遠しいほど楽しみになっていきました。
 これまでと明らかに違ってきたことは、二人から「退屈」「マンネリ」という表情がなくなってきたというところ。学校から帰ると当たり前のように、まだ新しいグローブをもってグランドに行くようになっていました。それに、これまで二人の遊びには、はぶかれてきた両家のお父さんもその中に入るようになり、頼られるお父さんへと変身したようでした。こうなるとお父さんたちもご機嫌!何とも単純ではありますが野球を通じて幸せな日々が続きました。
 そんなある日、練習試合に連れてってもらった野球女子達、見学と点数つけ、応援で疲れ果てて帰って来るだろうと予測していると、帰って来るなりルルリコからの言葉…
 「試合に出たい!」
 彼女達の状態では到底無理な話…。両家のお父さんも「はい、はい」と適当に済まそうと思ったが、彼女達の目を見ると、とてもそんな適当で済ますなんてできない表情がそこにあったそうです。
 いきいきした表情で、「○○兄ちゃんはすごく打った~」「かっこよかった~」などなど話は尽きることなく続いた。
 るる…「るるも試合に出たい~」
 リコ…「リコも試合で打ちたい~」
 父達…「そしたら、試合に出れるようにがんばろか」
 こうして、試合にでるというささやかな夢を持ち、ルルリコを中心に姉妹達と父達は野球中心の生活に
ハマっていったのでした。


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